こんにちは。歯科衛生士の木村です。
ようやく涼しくなり、
外出しやすい気候になってきましたね。
季節の変わり目は
生活リズムや食生活が
変化しやすい時期でもあります。
その中で患者さんからよくいただく質問が
虫歯や歯周病って遺伝しますか?
と聞かれることが多いです。
今回はその疑問について
お話していこうかと思います。
結論からいうと
虫歯や歯周病は「病気そのもの」は
遺伝しませんが、
なりやすい「体質」や「口の環境」は
遺伝する可能性があります。

虫歯の遺伝的要因
虫歯になりやすいかどうかは、次のような遺伝的要素が関係します。
・唾液の質、量(粘液性である、唾液量が少ない)
・歯の質(エナメル質が弱い)
・歯の形や歯並び(磨き残しが多くなりやすい)
・味覚傾向(甘いものを食べる習慣、環境)
これらは親からある程度受け継ぐ事があり、虫歯リスクを高める「素因」としての遺伝があります。
ただし実際に虫歯になるかどうかは、生活習慣やお口のケアによって大きく変わってきます。
歯周病の遺伝的要因
歯周病も直接的な遺伝はありませんが、以下の様な要素が関係してきます。
・免疫反応のタイプ(細菌に対する体の反応の強さ)
・コラーゲン代謝のスピード(歯茎はコラーゲンで出来ており、作る力や修復スピードが遅いと炎症が起きやすい人になります)
・歯周病菌への抵抗力(抵抗は、生まれつきの免疫の特徴が関係します)
更に家族の間では歯ブラシや、食器の使い回し等が原因で同じ歯周病菌が伝染ることがあります。
(以前菌が伝染するという記事を書いているのでぜひ読んでみてください✍🏻▶︎🔎)
遺伝は変えられないが、対策は出来る
ではどのようにしたら虫歯と歯周病を防ぐことが出来るのかについてです。
虫歯と歯周病は「原因の菌」が違う為、それぞれの対策が必要不可欠となります。
◎虫歯-歯の表面で酸を出して歯を溶かす-
主な菌:ミュータンス菌等
対策としては
・フッ素塗布(日常でのフッ素入り歯磨き粉の使用/歯科医院での高濃度フッ塗布は非常に効果的)
・糖の入った甘いものの摂取を減らす
・唾液量を増やす
◎歯周病-歯茎や骨を壊す炎症を起こす-
主な菌:歯周病菌(P. gingivalisなど)
対策としては
・歯と歯茎の清掃(境界部までしっかり磨く)
・フロスや歯間ブラシの補助器具の使用
・定期的なクリーニング
生まれつきの体質や菌の影響は遺伝しますが、日々のケアで防ぐことができます。

当院では患者様一人一人にあった
適切なセルフケアや歯ブラシ指導を
行っています。
また虫歯や歯周病のリスクがわかる
唾液検査というものも行っていますので
お気軽にご来院ください。
是非一度歯科検診に
いらしてみてはいかがですか?







